温泉宿の名物女将 赤襦袢の匂い 
     
                   提供/エクセス・フィルム
監督■新田 栄

-スタッフ-
脚  本■夏季  忍
撮  影■千葉幸雄
編  集■酒井正次
助監督■加藤義一
スチール■佐藤初太郎
音  楽■レインボーサウンド
録  音■シネキャビン
現  像■
-キャスト-
 ■柿沼ゆう子
 ■林  由美香
 ■杉原みさお
 ■樹  かず

物 語
目にも眩しい新緑の中、渓流に沿って点在する温泉宿。若女将涼子は今は亡き母である大女将菊江の遺志を継ぎ、山門に佇む和風旅館『梅田屋』を切り盛りしていた。が、住民の反村を他所にダム建設の話がもち上がった。
 辛い時、苦しい時、いつも思うのは「こんな時 父さんが居てくれたら」母、菊江が亡くなる前に涼子に明かした。出生の秘密。涼子の父親、岩田時三は毎年「梅田屋」を宿舎にしていた山岳部の学生であった。若い菊江と時三は恋仲となり、菊江は身ごもり、両親の反対を押し切り女児を出産した。名前は涼子と名付けられた。 
 そんな『梅田屋』には、先代の女将から仕える板前の桜井清次がいた。このご梅田屋にも五年後にはダムの底に沈んでしまう運命にある。従業員も次々と辞め、残っているのは清次一人なのである。清次本人もどうしようか迷っている今日此の頃であった。 
 その頃、温泉街を見下ろす高台に東京からダム工事の視察にやって来た建設会社社長岩田が地元の下請業者山辺の説明を受けていた。自分が学生時代大変世話になった旅館の辺りがダムエ事の中心部と聞き岩田の顔が曇った。
同じ頃『梅田屋』に泊まった野瀬珠子は後から来る不倫相手の男を待っていた。時聞になっても現れない男に連絡を取る珠子。男は珠子に別離の言葉を言った。ショックから立ち直れない珠子は睡眠薬を飲み近くの滝から身を投げようとする。そこ女将から事情を聞いた清次がワゴン中で駆け付け飛び込む寸前の所で珠子を助けたのであった。しかし実直な清次も助けたのはいいが、その時めくれ上がったスカートの奥に思わず欲情・・・一発。
 また同じ頃、吊橋を渡りながら青春時代の思い出に耽る岩田。そこで偶然見かける涼子。七年前にタイムスリップしたかのような菊江と瓜二つの涼子の姿に。涼子の顔が菊江に変わり岩田も学生時代に戻っている。 
 一方、滝から戻ってきた清次と珠子。事情を聞き行くところも無い珠子に同情する涼子は、人手の無い折「梅田屋で働くことを勧める」若女将の為ならとせっせと鋤く珠子であった。 
 その夜、宿泊先のホテルで山辺から過剰接待を受ける岩田。ムードミユージックが流れ出し妖しいライティングの中、出張ストリツパーのマリリンがその豊満な肢体を晒す。夜の更けるのも忘れ酒池肉林が繰り広げられる。 
 翌日、布団部屋で清次と珠子がお互いを激しく求め合っていた。その時、清次は珠子にもう五年後にはこの旅館もダムの底に沈んでしまう。いまの内に他の旅館に行こうと誘いをかける。しかし、命の恩人である女将の事を思うと・・・・。
 ダム建設反対派の旅館に、あの手この手と嫌がらせを仕掛ける山辺。そして、涼子の肉体が山辺の餌食に。『梅田屋』を守る為、耐え忍ぶ涼子であった。それを涙を浮かべ歯を喰いしぱり、襖越しに耐えている珠子。